4種の動物の彫刻が本殿を守る秩父神社

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十二年に一度の秩父札所総開帳により多くの参拝客を集めている秩父市ですが、市内にはお寺だけでなく由緒正しき立派な神社もあります。それが秩父神社であり、創建時期は明確になっていませんが崇神天皇の時代ということなので紀元後3世紀から4世紀頃と考えられています。
秩父神社の本殿は江戸時代に徳川家康が寄進したものであり、歴史的価値が高く埼玉県の有形文化財に指定されています。

秩父神社へは西武鉄道の秩父駅から徒歩数分のところにありまして、周囲には秩父まつり会館や秩父ふるさと館そして地場産業センターなど観光スポットが集結している場所となっています。
西武鉄道との乗換駅となる西武秩父駅からも徒歩で十数分程度ですので、バスやタクシーを利用することなく訪ねられます。交通量の多い通りを進んでいくと「国幣小社秩父神社」と彫られた石碑が見えてきます。

本殿へ向かう前にまずは社務所に立ち寄ることにしました。とても日差しが強い暑い日でしたので、参拝前に少し涼もうと考えたのです。社務所内にはドリンクを有料で提供している小さなカフェがありまして、パネルなどで秩父神社の説明がなされていますので一度寄ってから参拝したほうが有り難みも増します。

鳥居の前にはカラーの案内パネルが設置されていました。木製や金属製の案内板は他の神社や寺でもよく見かけるのですが、ここまで鮮やかなカラーパネルは秩父の寺社で初めて出会いました。

おみくじを縛る場所はハートが立体化されたようなオブジェでした。踏み台やハシゴはありませんので流石に上の方には取り付けることができず、下の方におみくじが集まっていました。

お賽銭を用意して参拝しようとしたところ、巫女さんが登場して賽銭箱の中のお金を取り出していました。こういったものは閉門後に行われるものだと思っていたので少し驚きましたが、それだけ参拝客が多いということが伝わってきました。
あるカップルが巫女さんに「十二年に一度、本尊が見られると聞いてきたのですけれど…」と声をかけていたのですが、どうも秩父札所総開帳と勘違いしていたみたいで巫女さんから丁寧に説明を受けていました。

それでは秩父神社のメインスポットを紹介します。本殿の東西南北に配置された動物の彫刻たちで、本殿の正面には写真のような「子育ての虎」が見られます。差甚五郎という有名な彫刻家が彫った作品であり、親虎が子虎と戯れている様子が表現されています。

本殿を反時計回りで歩いて行くと右手には同じく差甚五郎の作品である「つなぎの龍」があります。この龍には言い伝えがありまして、札所近くの池で龍が暴れた後に彫刻の下へ水溜りができることから龍が逃げ出さないように鎖でつなぎとめたというものです。当日は炎天下でしたので水溜りはありませんでしたが他の彫刻と比べても日陰なので、少しジメジメとした感覚がありました。

裏側には「北辰の梟」があり、梟が振り返るようにしてこちらを見つめています。学業成就のご利益があるということで、絵馬に「北辰の梟」が描かれていました。

最後の動物は本殿左手にあります「お元気三猿」です。日光東照宮では「見猿聞か猿言わ猿」といって目や耳そして口を抑えていますが、秩父神社の三猿はその反対で目を見開いていたり、大きく口を開けているといった表情をしています。このように動物たちの彫刻が本殿を取り囲み、守り続けています。
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本記事は2014年10月23日時点での情報ですので、場合によっては適用されないこともあります。あらかじめご了承ください。
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