数千体のお地蔵様に囲まれるワンダースポット山口観音

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かつてユネスコ村として大変賑わった西武球場前駅周辺も、2006年に閉鎖されてからはすっかり静かな場所になってしまいました。駅の左手にある西武ドームからは大きな声援が聞こえてくるものの、改札を出て右方向へ進む人はほとんどいません。
そのような閑静な場所に山口観音こと金乗院があります。すぐ隣には狭山不動尊があり霊験あらたかな雰囲気を醸し出していますが、山門をくぐって本堂に向かって行くとバラエティ豊かな石仏やお堂などが所狭しと立ち並んでいる魅力的なスポットです。駅からは徒歩5分ほどですが、金乗院内を全てじっくり見て回るには数時間かかります。

金乗院が山口観音という別称を持っているのは本尊が千手観音であることと、有料で内部へ入ることができる五重塔の中に千躰近くの観音様が安置されているからです。

駐車場脇の仁王門を過ぎて見えてきたのは綺羅びやかな建物でした。私の少し前に老夫婦がその建物に向かって「すいません」と声をかけていたので案内所だと思ったのですが、その老夫婦は首を傾げて離れてしまいました。立ち寄ってみると何と作り物の白馬がこちらをじっと見つめてきたのです。
この白馬のモデルは鎌倉時代の有名な武将である新田義貞の馬で、鎌倉攻めにも参加したことがあるのですが余生をこの地で過ごしたため祀られていました。水や花だけでなくニンジンまでお供えがあり、とても素晴らしい待遇を受けていましたし、ニンジンを型どった絵馬も多数奉納されていたのです。

1762年に建立された本堂で、この中に行基作と言われる千手観音が安置されていますが、写真撮影をすることはできませんでした。せめて参拝だけでもと思い線香をつけようとしたところ、びっくりしてしまいました。

何と山口観音では家庭用のガスコンロが置かれていたのです。ロウソクやライターで着火するのはよく見かけますが、コンロがそのまま置かれているのは初めてみました。

金乗院の本堂の魅力はこれだけではありません。表から千手観音を拝めないのならと本堂の裏側に「裏観音」が掲げられており、昔の人も開帳しておらず千手観音を拝めない時は裏観音で我慢していたようです。

本堂をぐるりと囲んでいるのはネパールで作られたというブレイクベルです。全部で人間の煩悩と同じ108個取り付けてあり、グルグルと廻すことができます。廻せばお経を読んだことと同じ価値があるので運気上昇が望めます。

こちらは2009年に完成した八体守護仏です。建立されたばかりですので石自体は綺麗なのですが、金乗院はクモがとても多くクモの巣が張り巡らされていました。

仏国窟は暗い洞窟になっており、中には四国八十八ヶ所霊場と西国三十三番札所の仏様が安置されています。つまり洞窟内を抜けるだけで霊場と札所を巡ったことになりますが、こちらも頭上をクモの巣が覆っており、気をつけて歩かないとたいへんな目にあいます。

金乗院をワンダースポットであると断言できるのは、数千体のお地蔵様から見つめられる光景に出会ったからです。こちらは水子地蔵で一体一体大切に祀られていて、大小様々なお地蔵様が並ぶ姿は重厚感があり沢山の思いが込められているように感じました。
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本記事は2014年12月16日時点での情報ですので、場合によっては適用されないこともあります。あらかじめご了承ください。
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