埼玉の奥地にダイナミックな建造物を発見!「浦山ダム」と「うららぴあ」

4166views
“ダムマニア”という言葉を聞いたことはありますでしょうか。一般の人は何気なく通りすぎてしまう建造物でも見る人によってとても魅力的に感じるものであり、電車やライトアップされた夜の工場そして団地などに強い興味を示す人が少なくありません。今回は埼玉県の秩父へ旅行した際に立ち寄った「浦山ダム」と、その資料館である「うららぴあ」をご紹介します。とても広大な建造物であり1時間から2時間ほどたっぷりと時間をかけ見学をしてまわりました。

◎「浦山ダム」「うららぴあ」のご紹介◎
【アクセス方法】秩父鉄道・浦山口駅から徒歩約20分もしくは西武鉄道・西武秩父駅からバスで約11分
【公開日】4月から10月9時30分-16時45分/11月から3月9時30分-16時00分(年末年始および公式サイトで休止日を公開)
【見学料】無料
◎浦山口駅から入口まで◎

今回は浦山口駅から徒歩で向かうことにしました。赤く塗られた大きな橋を目印にして向かって行くと、ダム下流駐車場とダム内部へ入るエレベータ入口を示す看板がありました。ここまでは細い道を登っていくような感じで、場所によってはロードサイドが崖になっているので慎重に歩かなければなりません。この看板のすぐ近くには秩父札所が何箇所か設けられています。

看板を左に曲がると早速ダムの巨大な壁が目の前に現れます。あまりにも巨大で見上げていたら首が痛くなってしまうほどでした。ちょうど朝陽がダムを照らしており山々の自然にコンクリートが溶け込んでいるようでした。

駐車場を通り過ぎるとエレベータの入口があります。手前にはスロープが設置されていますし、内部の急階段にもリフトが付いているきなど車椅子の方でも問題なく内部の見学が可能です。ここで右手を見てみると驚くべきものがありました。

ご覧ください!何とエレベータを使わずに階段でダムの上まで昇っていくルートがあるのです。階段を昇ることによる消費カロリーが示されているなど健康志向の方にはピッタリのルートです。ただし冬場は階段が凍結してしまう恐れがあるため封鎖されているので、チャレンジしてみたい方は春から秋にかけて行ってみましょう。
◎入口からエレベータまで◎

エレベータを利用するルートには様々な展示物があると聞いていたので、今回は階段を使うのは止めました(本音を言うと階段数と吹きさらし状態の階段に恐れをなしました)。内部は長い通路になっていまして壁には秩父の自然を表現したオブジェが飾られています。

先へ進んでいくと少し暗がりになっている場所がありました。こちらでは浦山ダムが完成するまでの流れが「マイナス30年前」からパネルで説明されており、昔の秩父の様子がよく分かる写真です。

明るさが戻ると今度はコミカルな絵が描かれたパネルがありました。浦山ダムの巨大さを東京ドームの大きさやミキサー車の数で表現をしているものです。具体的に数字で表してもらえると、改めて浦山ダムの大きさが実感できます。

外はカラッとした秋晴れだったのですが、通路の床は濡れており空気もジメジメとした感じがしました。通路には除湿機が設置されており徐々に水を豊富に蓄えたダムの内部へ向かっていることがよく分かります。

エレベータへ到着しました。学校で給食ワゴンを運搬したりデパートの裏にあるような業務用のエレベータといった雰囲気で乗るのには少し勇気が必要です。1階と最上階しかストップしないのでダムの頂上までノンストップで上昇していきます。

エレベータの前には水圧実験装置がありまして、エレベータが降りてくるまでの時間にボタンを押すだけで実験が見られます。博物館で見かけるような簡単な実験かと油断をしていたのですが、「ガシャーン」「ジュワーッ」とても大きな音が通路に鳴り響き、水圧によって重い金属の塊が浮き上がっていきました。あまりの激しさに一歩引いてしまうほどでした。
◎エレベータからダム頂上へ◎

頂上に到着し重い扉が開き小部屋を出ると、そこには別世界が広がっていました。ダムの豊富な水と大きな山々がどこまでも続いていくかのような爽快な光景です。朝陽によって水面がキラキラと輝いており、この景色を見るだけでもここまで来たかいがあります。

資料館である「うららぴあ」へはダムの湖面の上を渡って行くことになります。どこから見ても絶景でありシャッターポイントがいくつもあります。

実はこの通路には3つのパワースポットがありまして、その一つが「願い事かなえ石鎚」です。この木槌を手で握り願い事をすると叶うと言われています。

続いては鯉が滝を登っているような像で「鯉の後生車」と呼びます。「恋のお願い聞いてください後生だから」と願いながら車輪の部分をクルクルと回します。

最後は「安産守尊像」という卵の形をした不思議な像です。この像は白い大理石でできており、膨らんだ卵の部分をなでると安産になるとのことです。つまり願いがある人や恋をしている人、そして赤ちゃんがお腹にいる人など様々な人に対してパワーを分け与えてくれるスポットなのです。
◎うららぴあ◎

ようやく資料館の「うららぴあ」へ到着しました。入口前には何故がデパートの屋上で見かける遊具が設置されているのですが、玩具のカプセルが排出口が封鎖されているなど使用する人はあまりいないようです。

こちらでは飲食をしたり休憩したりできるのですが、窓ガラスからの風景が絶景なのです。眼下は崖のようになっており透明なガラスの向こうへ落ちてしまいそうな気分になります。

それではいよいよ「うららぴあ」内の見学へと移ります。入口近くには浦山ダムの縮図模型が展示されており、どのような造りになっているのかなどが分かります。

こちらはたいへん奇妙な部屋ですが、暗闇の中で目を凝らしてみると埼玉県の周辺地図がボーッと見えてきます。とても幻想的な部屋で左右上下が判別できなくなってきます。

部屋には他の観光客の方がいなかったので、カメラの露出を最高にして部屋の様子を撮影しました。「水の天幕」というタイトルのオブジェで、よく見ると「調整中」の貼り紙が貼られているものもありました。

映像で秩父夜祭や長瀞の風景、そして先ごろ世界文化遺産に登録されることになった小川町の手漉き和紙などについて学べます。

ダムはコンクリートでできていますが、周囲の山々の自然はしっかりと残されていますし水が豊富であるため、植物や虫がたくさん自生しており様々な種類の動植物が見られます。

「うららぴあ」へはエレベータや階段だけでなく、自動車で直接駐車場へ向かうことが可能です。広々とした駐車場でかなりの収容台数を誇っています。
◎ダムカードをGET!

ダムへ来る時のお楽しみが実はもう一つあるのです。子どもたちがアニメやマンガのキャラクターが描かれたゲームで遊んでいるのを街中でよく見かけますが、ダムにも“ダムカード”と呼ばれる名刺大のカードがあります。何と無料で配布されていまして「うららぴあ」の隣にあります総合管理所で受け取ります。建物に入ると無人の受付があり、電話がポツンと置かれていますので事務室へ電話し、人数を申し出るとスタッフの方が1階まで降りてきてカードを手渡してくれます。

こちらが“ダムカード”です。浦山ダムのダイナミックな建造物が全面に描かれており、裏面にデータが掲載されています。このカードは他の県内外のダムでも配布されていますので、コレクションしてみるのも面白そうです。

このダム湖は「秩父さくら湖」へは入湖届けを提出することで入ることができますが、浦山ダムを訪ねた日には一隻も船は浮かんでいませんでした。

それでは最後にこちらの写真をご覧ください。先ほど通ってきた通路からカメラを差し出しダムを見下ろしてみました。ほぼ垂直に切り立ったコンクリートの壁面からダムの巨大さを感じました。このようにダムは魅力いっぱいの観光スポットなのです。
その他の記事

この記事へのコメント

マップ

本記事は2015年01月19日時点での情報ですので、場合によっては適用されないこともあります。あらかじめご了承ください。
ログインするとこの記事にコメントを書くことができます。