ひな人形のメッカで工場見学「マル武人形」

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埼玉県鴻巣市は全国でも有数のひな人形の産地として有名です。江戸時代の初期に京都から人形師が鴻巣へ移り住んだことから、着実に発展を重ねていき現在に至ります。鴻巣市では毎年2月から3月にかけて「鴻巣びっくりひな祭り」が開催されており、市内複数の観光スポットにおいて一万体を超えるひな人形が飾られます。【10,000体のひな人形と出会える「鴻巣びっくりひな祭り」】という記事で詳しくご紹介していますので、ぜひそちらの記事もご覧下さい。

「鴻巣びっくりひな祭り」の会場をまわっていくと「マル武人形」という大きな看板が掲げられているのをよく見かけました。そして、会場の一つである「鴻巣市産業観光館ひなの里」へ向かっている途中に、壁全体を使用した今までも一番大きな看板がありました。そこで、ふらりと立ち寄ってみることにしたのです。

朝9時に到着しましたので、辺りには観光客やスタッフの人影はありませんでした。その中で、「伝統工芸モデル工場」と書かれた木製の看板が威厳を放っていました。

自動扉が開くと頭上に「工房見学ご希望の方は、お申し付け下さい」とあり、飛び込みで申し訳ないとは思ったのですが見学できるか聞いてみることにしました。

奥へ進んでみると商品が所狭しと陳列されており、とても華やかな展示スペースとなっていました。ひな人形と言っても様々な衣装や顔つきがあり、見て回るととても面白かったです。

あまりにも時間が早かったので最初は見学ができないかと思いましたが、1階にいらしたスタッフの方が3階まで私を連れて行ってくれまして、見学許可をとって下さいました。

工房で最初に目に飛び込んできたのは、色鮮やかな生地の数々です。ひな人形の衣装に使用されるもので、模様の華麗さに感動を覚えました。

工房には生地だけでなく、たくさんの材料が保管されています。職人の方々が使用しやすいように分類されているのだと思いました。

ひな人形のパーツが一箇所に集まっていると何だか不思議な光景です。

こちらが作業台です。職人の方々はここへ座って緻密な作業を行っています。見学をした当日は既にひな祭りのシーズンとなっていましたので、工房としてはシーズンオフにあたります。10月から11月頃は十数人の職人が集まって製作を行っているとのことでした。

作業風景も写真撮影をさせて頂けました。市内の小学校が工場見学へ訪れるなど、見学者への説明にはとても慣れている様子で作業中にも関わらず、ひな人形の歴史や現状などについて説明をしてくれました。工房への階段には見学をした小学生の感想が掲示されていました。

見学を終えて1階に戻ると五月人形も展示されており、「マル武人形」ではひな人形だけでなく羽子板や破魔弓も製作していることが分かりました。突然の訪問にも関わらず、丁寧に対応して下さった「マル武人形」のスタッフと職人の皆さんに感謝しています。
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本記事は2015年06月11日時点での情報ですので、場合によっては適用されないこともあります。あらかじめご了承ください。
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