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美しい境内に感動!キリシタンの悲話も残る川口市の「長徳寺」

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埼玉県川口市に美しい境内があるお寺があると聞きつけ、訪れてみることにしました。それは埼玉県川口市芝にあります「長徳寺」です。JR京浜東北線・蕨駅から徒歩20分ほどの場所にあり、近くの「芝支所」までバスで行くことも可能です。産業道路と外環自動車道が交差する付近を目指しました。
最初に出迎えてくれたのは、穏やかに微笑むお坊さんの石像です。今にも動き出しそうなリアリティさで、小さな子どもたちの石像が囲んでいました。これまで訪れてきた寺社の山門前には石碑や地蔵様が安置されていることが多かったのですが、この石像を見るだけでも雰囲気の異なるお寺だと思いました。



こちらの参道をご覧ください。美しく掃き清められた石畳の両脇には、こちらも丁寧に手入れされた木々が並びます。6月に訪れたのですがツツジの花々が咲き誇っていました。ゆっくりと見て歩きたくなる光景ですよね。



境内でひときわ目を引いたのが巨木となったビャクシンです。この木の特徴は葉の形が2種類あるということで、訪れた時はぜひ樹木を見上げてみて下さい。



ここも足を踏み入れることは可能なのですが、キレイに砂がならされていると避けて通りたくなります。足あとがあると悲しくなってしまいます。



新しい石像などが多い長徳寺ですが、古い建物も大切にされています。創建は1364年ということですので、650年ほどこの地に根付いてきたお寺です。



前述のようにここは川口市芝という地名なのですが、芝村の代官は熊沢三郎左衛門忠勝と言いまして、その墓地が設けられています。江戸時代には、熊沢忠勝の娘がキリシタンとして逮捕されるという事件がありました。長徳寺の住職の竜派禅珠は、仏教とキリスト教という違いはありましたが助命運動に東奔西走したのです。埼玉県立博物館には観音像の胎内に隠されたマリア像も保管されています。
結果的に命は助けられましたが熊沢家の墓地には、その娘をキリシタンへと導いた母の墓はないと言います。キリシタン弾圧を進める幕府に対し、配慮したのではということでした。



境内の散策に戻ると、多くの地蔵様や観音像が各所に配置されていることに気づきました。スタンプラリーのように探して回ってみてはいかがでしょうか。



もちろん六地蔵様も安置されています。こちらにもキレイな生花が飾られるなど、美しい境内に感動した長徳寺でした。

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本記事は2016年05月10日時点での情報ですので、場合によっては適用されないこともあります。あらかじめご了承ください。