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お、お化け屋敷…地元民にもあまり知られていない「伊奈町立郷土資料館」

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歴史資料を集めた郷土資料館は、貴重な資料が数多く並び無料で入場できるケースも多いので、
観光で訪れた際は必ず立ち寄るようにしています。
その地域の歴史を知ることで、観光がさらに楽しくなるからです。
ところが、埼玉県にあります「伊奈町立郷土資料館」は他の資料館に比べ、探すのがとても大変でした。



まず最寄りのニューシャトル・内宿駅の駅員に尋ねたところ、そのような施設は知らないと断言されてしまい
(着任したばかりだったらしい)、駅前の地図にも掲載されていませんでした。
次にすぐ近くの埼玉県県民活動総合センター内にあります町の出張所で尋ねたところ、
オープンしているかも分からないとのことでした。
観光マップにも電話番号すら掲載されていないのです。
駅前に「伊奈民芸館」という似たような建物を見つけましたが、ここは民間の家具屋でした。
その後も、地域住民に場所を尋ねたのですが誰一人知らず、観光マップだけを頼りに歩いて行きました。



とても狭い歩道の横を大型のトラックがビュンビュン走っている通りに出ると、
ようやく「伊奈町立郷土資料館」を発見しました。
看板の文字も薄れていて見逃してしまうところでした。



案内板によると入場料は無料であり、火・水・土・日曜日に開館とかなりイレギュラーな施設です。
国民の休日(子どもの日・文化の日を除く)は休館なので注意が必要です。



一歩踏み入れると人影はなく古民家がひっそりと建っており、入口の扉は開いていました。
周囲は雑然としており、受付らしい場所はありません。
入口の記帳簿を見ると私が訪れたのは11月14日だったのですが、11月の来館者はたった7名だったようです。
つまり1日に1人訪れれば良い方だということです。



靴を脱いでスリッパに履き替えて見学することになり、
もちろん係員は誰もおらず私一人で見て回ることになりました。
藁でできた蓑が吊り下げられていて、昔ばなしの世界に紛れ込んだかのようです。



ちょ、ちょっと…大きなノコギリや刃物が、ケースに入れられることなくそのまま置かれていました。
もうこの時点で足はガタガタ、体はブルブル…。冷たい風が建物内を吹き抜けていきます。



さすがに火縄銃はガラスケースに入っていましたが、大きな錠前がかけられている訳ではありません。



流し場には蜘蛛の巣が張っており、長年掃除をした形跡がないのです。
ただし、これは昔の雰囲気を醸し出すために意図的にそのままの状態を保っているのかもしれません。



部屋の一番奥は真っ暗であり、電気のスイッチも見当たりませんでした。
両脇の大型のケースには多くの着物が収められており、今にも動き出しそうです。
お化け屋敷が苦手な人だと、この資料館を一人で訪れるのは酷かもしれません。
ただし、展示されている資料は貴重なものが多く、伊奈町の歴史をしっかり学ぶことができました。
結局、私が帰る前で誰も訪れることなく、自ら電気を消して資料館をあとにしました。

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本記事は2016年08月17日時点での情報ですので、場合によっては適用されないこともあります。あらかじめご了承ください。