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あの有名な地下神殿!…に入りたかった「龍Q館」

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ドラマや映画、そしてミュージックビデオの撮影で使用されることが多い、
埼玉県春日部市の「首都圏外郭放水路」。
地下50メートルの場所に掘られた、直径10メートル全長6.3キロメートルの構造物は、
その姿から地下神殿と呼ばれることがあるほどです。
そのため見学者が殺到しており、なかなか予約ができず当日に訪れてもトンネルへ入ることはできません。
旅行前に予約をしようと思ったのですが、全て満員となっておりこの記事を執筆している時点でも、
団体予約などが入っていて空きはありませんでした。



そこで、今回は「首都圏外郭放水路」の上に建設された、「龍Q館」という学習施設を満喫してきましたので、
詳しくご紹介します。龍Q館へはコミュニティバス等で訪れることが可能ですが、
今回は最寄り駅となる東武野田線・南桜井駅から徒歩で向かいました。
目印となるのは県道321号線沿いにあるローソンで、辺り一面田んぼや畑が広がる地帯へと進んでいきます。



健脚の人であれば30分ほどで到着する距離(3キロメートル)です。
「首都圏外郭放水路」は、周囲の河川が大雨により氾濫するのを防ぐため、
地下にトンネルを掘って水を排出する仕組みです。
そのため、周囲に建築物が少なく、龍Q館のほかは広場が設けられています。



建物と広場の周囲は、数多くの木々が植樹されています。
異なる樹木を植えることにより、相乗効果でスクスクと育つのだとか。



龍Q館は「庄和排水機場」の中にある学習施設です。
建物前には広い駐車場がありまして、団体見学の大型バスも停まっていました。



まず見せてもらったのが、野外に展示されているシールドマシーンです。
これは地下トンネルを掘る際に使用したものであり、オレンジ色の部分に本来は歯が付いていて掘り進めます。
歯といっても岩盤を掘るわけですから、鋭利なものより頑強な構造物がセットされます。



館内には実際に使用されたものの一部が展示され、使い古された感じが出ていました。



龍Q館のメインは2階にあるのですが、1階から2階にかけて地層タワーが突き出ています。
係員の方のお話によると、掘っている最中3回に渡って貝が出土したそうで、
今では海のない内陸の埼玉県ですが、何度も海が浸食していたことが分かります。



中2階から建物を撮影してみると、巨大なデザイン画が掲げられています。
この周辺では「火伏せの龍の伝説」が残されており、それにちなんで龍が至るところに描かれているのです。



展示物の見学を続けましょう。
先ほどの地層タワーから出土された貝も並んでおり、埼玉県に海があったのだと改めて実感しました。



こちらは2階の展示ルームにある、床に描かれた地図です。
訪れた当日は小学生たちが見学していたのですが、他の見学者は私だけだったので、
スタッフの方が専属で説明をして下さいました。
この地図を見ると、「首都圏外郭放水路」がどの方向に掘り進められたのかが分かるようになっています。



ボタンを押すと起動する装置などもあり、どのような仕組みで洪水を防ぐのかが学べます。



地底体感ホールでは壁全体を使用して、ムービーが放映されるようになっており、
どのように「首都圏外郭放水路」が作られたのかが詳しく説明されます。
龍の迫力がものすごく、一見の価値ありです。



2階から外を見てみると、川沿いを工事しているのが分かりました。
川の向こうは埼玉県ではなく千葉県であり、スタッフの方によると公園を造成しているとのことですが、
洪水時はとても危険だと心配していました。



こちらが操作室。この光景を映画やドラマで見たことがある人も多いのではないでしょうか。



「首都圏外郭放水路」を使用した作品に出演した俳優や女優のサインが、壁いっぱいに掲示されています。
晴天時は貸し出されることもありますが、雨天時は全て閉鎖され川から溢れた水を排出することになります。
実際に2015年9月の大雨では、東京ドーム15杯分の水を放流し、中川の水位が31センチメートル低減しました。
今度訪れるときは、ぜひとも予約をして地下神殿の探検をしてみたいと思っています。

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この記事へのコメント

本記事は2016年09月21日時点での情報ですので、場合によっては適用されないこともあります。あらかじめご了承ください。